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貸家建付地・貸家の相続税評価とは
計算式と空室・親族間賃貸の注意点

アパートやマンションなどの賃貸物件を相続する場合、土地は「貸家建付地(かしやたてつけち)」、建物は「貸家(かしや)」として評価されます。これらは他人に貸していることで利用が制限されるため、自分で使っている場合(自用地・自用家屋)よりも相続税評価額が大幅に減額されます。

ただし、減額の計算には「入居率(賃貸割合)」が大きく関わるため、相続発生時に空室があると評価額が上がってしまうリスクも。本ページでは、横浜で賃貸物件を相続する方が知っておくべき計算方法と、「一時的な空室」や「親族への貸付」に関する判断基準を詳しく解説します。

貸家建付地(土地)の相続税評価額の計算

アパートや貸家が建っている土地(貸家建付地)は、以下の計算式で評価額を算出します。

  • 自用地としての評価額 ×( 1 - 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合 )

少し複雑に見えますが、要素を分解すると以下のようになります。

  • 自用地評価額:更地としての評価額(路線価 × 面積)
  • 借地権割合:地域ごとに決まっている割合(横浜の住宅地は概ね50%〜60%)
  • 借家権割合:全国一律で30%
  • 賃貸割合:課税時期(死亡日)における入居率

つまり、満室稼働していれば約2割(15%〜18%程度)の評価減が可能ですが、空室が多いと減額幅は小さくなります。

貸家(建物)の相続税評価額の計算

建物(アパート・マンション自体)の評価額も、貸している部分については減額されます。

  • 固定資産税評価額 ×( 1 - 借家権割合 × 賃貸割合 )

借家権割合は30%ですので、満室であれば固定資産税評価額からさらに30%減額された金額が相続税評価額となります。

注意点①:相続発生時の「空室」はどう扱われる?

計算式にある「賃貸割合(入居率)」は、原則として相続開始日(死亡日)の現況で判断します。では、たまたま退去が出た直後に相続が発生した場合、その部屋は「空室」として扱われ、節税効果が減ってしまうのでしょうか?

「一時的な空室」と認められれば満室扱いに

国税庁の指針では、以下の要件などを総合的に満たせば「一時的な空室」として認められ、賃貸されていたものとして(つまり満室扱いで)計算できるケースがあります。

  • 相続直前まで継続して賃貸されていたこと
  • 空室後すぐに新しい入居者の募集を行っていること
  • 空室期間が短いこと(概ね1ヶ月程度など)
  • 空室の間、他の用途(自宅や倉庫など)に使っていないこと

ただし、この判定は非常にシビアです。「募集はしていたが数ヶ月決まらなかった」といったケースでは認められないこともあるため、賃貸借契約書や募集の履歴などの証拠を揃え、税理士に相談することが重要です。

注意点②:親族に貸している場合は要注意(使用貸借)

「子供にアパートの一室を貸している」「親戚に一軒家を貸している」というケースも多いでしょう。ここで重要なのが「家賃を適正に受け取っているか」です。

  • 無償、または極端に安い家賃(固定資産税程度など)で貸している場合
    これは「賃貸借」ではなく「使用貸借(しようたいしゃく)」とみなされます。使用貸借の場合、借家権が発生しないため、貸家建付地としての評価減(貸家の評価減)は一切受けられません。通常の自用地・自用家屋として高く評価されてしまいます。
  • 世間相場並みの家賃を受け取っている場合
    きちんとした契約書があり、相場通りの家賃のやり取りがあれば「賃貸借」として認められ、評価減の対象となります。

横浜エリアでの貸家建付地・貸家相続のポイント

横浜市は全国的に見ても地価が高く、特に駅近のアパートやマンション敷地は評価額が高額になりがちです。そのため、貸家建付地としての評価減が適用できるかどうかで、相続税額が数百万円単位で変わることも珍しくありません。

また、一定の要件(事業的規模である等)を満たせば「小規模宅地等の特例(貸付事業用宅地等)」を併用でき、200㎡まで50%の評価減を受けられる可能性もあります。

「空室の判定」や「使用貸借のリスク」、「特例の併用」など、判断に迷う要素が多いため、横浜の不動産相続に強い税理士への早めの相談をおすすめします。

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